自転車の危険とそれを防ぐルール

はじめに

誰もが一度は乗って運転したことがあると思う「自転車」ですが、皆さんはきちんとルールを守って利用しているでしょうか?

下記の動画は自転車事故時の衝撃が目の当たりにできるプロのスタントマンによる検証動画です。

朝日新聞社より転載


自転車に関わるルール

自転車に関わるルールには例えば以下のようなものがあります。
  • 自転車は、「車道」が原則であり、「歩道」は例外。(ただし、「自転車通行可」の道路標識がある場合や、運転者が13歳未満もしくは70歳以上、その他身体に障がいを負っている者、また安全のためやむを得ない場合は歩道を通行できる。)
  • 自転車は道路の左側の端に寄って通行しなければならない。
  • 歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行しなければならない。(徐行は、直ちに停止することができる速度で進行すること。)
  • 自転車は「軽車両」、「車両」、「車両等」に含まれる。(道路交通法(第2条第1項第11号の2))


自転車の危険行為

また、2015年6月1日から「危険行為」が指定され、危険行為を3年以内に2回以上繰り返した場合危険行為を3年以内に2回以上繰り返した場合、「自転車運転者講習」の受講が義務付けられる。受講しなかった場合、5万円以下の罰金が科せられるようになりました。

背景として、ブレーキが装着されていない競技用自転車(ピストバイク)が日本で流行したことや、酒気帯び運転などの危険運転、また運転者側が歩行者を負傷或いは死亡させた事件に対して高額な賠償金が運転者及び保護者に発生したことなどが挙げられます。
平成20年9月22日の事件は運転者の保護者に対して9500万円の賠償が命じられています。(引用 一般社団法人日本損害保険協会)


ピストバイクについて



自転車の危険行為
  • 通行禁止違反
  • 遮断踏切への立ち入り
  • 指定場所一時不停止など
  • 歩道通行時の通行方法違反
  • ブレーキ不良の自転車運転
  • 酒酔い運転
  • 歩行者用道路における車両の義務違反(徐行違反)
  • 通行区分違反
  • 路側帯通行時の歩行者の通行妨害
  • 交差点での安全進行義務の違反など
  • 交差点での優先車妨害など
  • 環状交差点での安全進行義務違反など
  • 安全運転義務違反(例として、傘さし運転やスマホ・携帯電話を使用しながらの運転また、イヤホン(ヘッドホン)をしながらの運転など、各都道府県の道路交通規則に詳細に規定されています。)



自転車にまつわる危険な体験談

そんな私は大学生になり、入部したかったサイクリングサークルに入部してロードバイクに乗り始めました。振り返ってみれば、小学~高校性時代は普通に歩道を走り、左側を通行することも守っていませんでした。早く家に帰りたいときはスピードを出し、危険な運転もしていたかもしれません。

しかし、ロードバイクに乗り始めて上記の交通ルールを順守するようになりました。というのもロードバイクに乗り換える以前に乗っていたママチャリで深夜の土手を時速30キロで走行していた時、ポールに正面衝突して前方に投げ出されたからです。


状況の図解


全身(特に腰)を強く打ってその場で悶絶し、ポールは頑丈だったためほぼ無傷でしたが、衝突したママチャリはフレームまで歪んで無残な姿になってしまいました。


実際に衝突した自転車の写真


ぱっと見て変形していると気づく方がいるかもしれませんが、もっと分かりやすいようにフレーム形状が似ている新品の自転車と写真を重ねてみます。
新品との比較


白い自転車が衝突した自転車で緑色の自転車が新品の状態です。重ねてみると後輪部分は大きな変形が見られませんが、衝突した前方部分が全体的に後ろ側に後退しているのが分かると思います。
目に見える状態ではパンクやフロントフォークが曲がった程度に見えますが、実際はフレームが大きく歪む程の大きな衝撃が加わったことが分かります。

では、もしこの鉄でできた自転車のフレームが歪む程の衝撃が、金属のポールではなく人体だったとしたらどうでしょうか?ポール自体はほとんど無傷でしたが、人体では金属より脆い骨の骨折や内臓、様々な器官へのダメージは免れないでしょう。
この時は自分が負傷しただけで済みましたが、もしもぶつかったものがポールではなく「人」だったとしたらとても危険なわけです。

おわりに

この経験の後、サイクリング以外の平常時でもルールを順守し安全に走行するように努めるようになりました。
経験談を長々と書いてしまいましたが、皆さんも自分の体と誰かを守るために責任感を持ちつつ、ルールを守って安全に運転を心がけてほしいと思います。


自転車は便利な乗り物ですが、乗り方によっては危険な乗り物に変化します。急いでスピードを出せば、衝突したときの衝撃はその分大きくなります。
事故を起こしてしまった後で自分の運転マナーについて反省しても遅いのです。この記事を読んでくれた方がいたら、「自分は大丈夫。」とは思わず、日頃の運転マナーについて振り返ってみてください。