About us

はじめに

福本研究室では、都市計画・まちづくり分野を基盤とし「コミュニティデザイン」「都市防災・防災まちづくり」「アートコミュニケーション」「教育方法・教材開発」「空き地・空き家・空き空間の活用・再生」をテーマに研究や実社会への適用を行っています。




教育面では、「好きをかたちにする」と「困りごとの役に立つ」の観点を組み合わせることを大切にして学生の指導にあたっています。コミュニティ形成に関する実践・研究およびそれを専門とする価値はどの時代でも普遍だと考えています。何よりも、自分とは考え方、価値観が異なる様々な世代・立場の方との関わりを通じて自分自身の成長と可能性を広げる機会を得ることができる分野です。




以下に取り組んでいる研究テーマを解説させて頂きますが、当研究室でこれから取り組むテーマは下記に縛られるものではなく、新しい発想に基づくものも歓迎します。私自身、常にその可能性を模索しておりますし、研究室を希望される学生のみなさまにもそのような動機や姿勢を期待しています。


コミュニティデザイン



人口減少、高齢化、都市縮退、自然災害、環境問題といった地域社会が抱える課題に対して、住民が自分たちで解決策を考え、乗り越えていくための「人と人がつながる」場や仕組みづくりについて、実践的な研究を行っています。

課題発見の方法と体制づくりを促す「協働のデザイン」、場づくり、対話、記録の各方法論を構築する「参加のデザイン」、情報の整理、発信を通じて課題を解決する「発信のデザイン」、マーケティングやブランディングを通じて持続性のある取り組みとする「持続性のデザイン」について、体験や実践に基づいたデザイン手法を構築し、その有効性を評価する研究を行っています。



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都市防災・防災まちづくり



日本には豊かな自然がある一方で、様々な自然現象が起こり、人々が生活を営む空間に応じて災害が発生します。

また、ミサイル、テロ、事故、感染症といった脅威にも晒されています。空間や状況に応じて、「誰にとって何が危険なのか」、「どのような被害を受けるのか」、「その対策や教訓は何か」を地道な調査に基づき明らかにし、空間的、社会的特徴との関わりを明らかにする研究を行っています。

これらの研究成果を通じて、私たちの生活に無理することなく「安全」や「防災」をどのように取り入れることができるのかについて具体的なまちづくりの実践に結びつけ、それらのデザイン手法を構築する研究を行っています。



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教育方法・教材開発



「自分で考え、気づき、行動することを前提に様々な人と協力していく姿勢・態度」としての「能動的な主体性」に働きかける教育方法・教材としての「コミュニティデザインツール」の開発とその方法論を構築する研究を行っています。

地域課題を解決するツール、教材、アクティビティ、サービスの提案に留まらず、試作し、課題に直面する当事者や現場に適用させることで評価まで行うことを一連の研究枠組みとしています。



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空き地・空き家・空き空間の活用・再生



長岡市を含めた地方都市においては、全国的な出生率の低下を軸に大都市圏への人口が流出し、人口が減少しています。

それに伴い、空き地・空き家・空き店舗・空き部屋等の空き空間が増加し、かつては賑わった中心市街地は衰退し、人通りを歩く姿が減り、地域の活力が目に見えるかたちで失われつつあります。

こうした状況に対し、空き空間を流動させる様々な取り組みを実践・社会実装しながら、空き空間の活用・再生方法に関する理論研究及び実証的な研究に取り組んでいます。




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長岡造形大学の福本研究室を希望される学生のみなさまへ

実社会に適用させるデザインと、そのデザインの根拠としての研究、これらの両者は車で言えば両輪にあたり、どちらの側面も重要となります。


長岡造形大学はデザインの大学であり、学術的な価値が認められる知見を「論文」で表現することに加え、デザイン的に価値が認められる知見を「造形」として表現することで社会に貢献する場となります。

また、大学では与えられた知識を学ぶだけでなく、何かしらの最先端の分野で研究を行い、その試行錯誤の中で学びを得られる教育環境を提供し、社会で活躍できる人間を育てる場でもあると考えています。


このような考えを前提として、以下の方針で学生のみなさまに寄り添った指導を心がけたいと考えています。





1.自身の体験や考え、感性を素材にする



ロールモデルとしての誰かを目指したり、才能あふれる作品の影響を受け模倣したりという取り組みも学びの過程としては否定しませんが、私自身はみなさんが生きてきた時間の中に、みなさんのオリジナルの感性やデザインの種が多く内包されていると考えています。

自分の生きてきた道を丁寧に振り返ることで、才能の原石が多く見つかり、かつ、これからの時間を丁寧に大切に積み重ねていくことができます。
その上で、ロールモデルや他者の作品、論考をインプットすることで、自身の独自性や強みが明確になってくると考えています。

焦らず、これまで過ごした時間を素材に感性(自分が本当に表現したいことが何かを見つける力)を磨いていただきたいと思います。



2.能動的な主体性を身につける



社会では「問題解決能力」が求められると耳にすることがあります。

問題解決能力とは複合的なものであり、「問題を発見する力」、「問題を構造化し、分解する力」、「分解した問題の解決に取り組む力」等様々です。こうした力は、いきなりのばせと言われても方法がわからず困ってしまう方が多いと思います。
でも、その困る感覚はとても正しいのです。

「困りごと」を起点に、それがどのような経緯で発生したのか、困りごとの原因は何か、どのような状態になれば困らなくなるのか、それらを丁寧に対話の中から聞き出し、現場に身を置き感じ、論理的に構造化することで地道に取り組めることを増やしていく。

山登りのようなイメージで一歩一歩着実に歩んでいける姿勢・態度として、「能動的な主体性:自分で気づき、考え、行動することを前提に様々な人と協力していく態度・姿勢」を身につけて頂きたいと思います。

これはデザイン分野でも、その他のどの分野でもみなさまらしく取り組みを継続していくための大きな力になると考えています。



3.専門にしたい分野の基礎を身につける



社会に出て、自立して生きていくには社会に貢献することで報酬を得る必要があります。
そのために社会に貢献するための何かしらの能力が必要となります。

多くの能力を身につけてもらうことが理想ですが、私としては少なくとも「自分の専門はこれだ。得意なことはこれだ。これなら自信を持って取り組める」といった得意分野を1つ作ってほしいと考えています。

そのためには上記の「自身の体験や考え、感性を素材にすること」や「能動的な主体性を身につけること」と並行して専門にしたい分野の基礎を身につけ、その中のどこに自分の取り組みが位置づくのかを理解する必要があります。

先人は偉大で、とても一朝一夕で基礎は身につきません。良質なインプットとアウトプットを繰り返す中でようやく、概要が掴めるものです。粘り強く、みなさまと一緒に基礎を身につける取り組みを実践していければと思います。



おわりに



私は大学教員という立場となり、学生のみなさまを指導する側になりましたが、まだまだ学ぶ側の人間でもあります。

そのため、みなさまとのやりとりから私自身が学んでいくことも多くあると考えており、共に考え、共に議論し、具体的な行動を実践する姿勢を持ち続けることを大切にしたいと思います。



これまで、自然環境分野、IT分野、防災分野、まちづくり分野と様々な分野で取り組みを展開し、社会的な評価も頂く機会がありました。


また、株式会社の代表取締役も兼任し、ロータリークラブ、青年会議所、商工会の皆様との共同プロジェクトも多く実践してきています。


それらを通じて得られた人脈はみなさまの成長の機会となり、かつ、先方にも良い話となるよう活かしていきたいと考えています。



みなさまのなりたい姿を実現するための一助となるよう研究室の運営に尽力したいと思いますので、興味がおありの方は、お気軽に当研究室までご連絡頂ければと思います。