第1回インテリジェントコスモス東北文化奨励賞を受賞


2019年5月13日にホテルメトロポリタン仙台にて、インテリジェントコスモス学術振興財団より博士論文の内容について第1回東北文化奨励賞を受賞しました。

受賞概要

題目:東日本大震災後の地域の復旧に寄与した企業の実態、特徴および効果
~企業による共助―『業助』の概念の体系化~


内容
かつて米沢藩を再生した上杉鷹山が提示した「三助(自助・互助・扶助)の精神」は災害に立ち向かう日本人の態度・姿勢としての自助・共助・公助の概念の基盤となっている。本研究はこのうち、共助に着目し、東日本大震災の被災地に立地する企業代表者を対象にした調査に基づき、「企業の復旧」と「地域の復旧」を目的とする行動を繰り返しながら自社の復旧を成し遂げ、地域の復興を牽引した「企業による共助―『業助』」の概念を提唱し、その体系化を試みる。


授与機関

公益財団法人 インテリジェント・コスモス学術振興財団

東北文化奨励賞の対象研究

東北地方の文化の体系化やその発信により東北文化の現代的問題に貢献する研究

東北インテリジェント・コスモス構想

東北インテリジェント・コスモス構想とは?
「東北インテリジェント・コスモス構想」は,東北7県(青森県,岩手県,宮城県,秋田県,山形県,福島県及び新潟県)の産学官が一致協力して提唱している東北開発についての戦略的構想で,東北地方全体が21世紀における日本の頭脳(研究開発)と産業開発の国際的拠点となり,そこに未来型産業社会を形成することによって,人間と自然,産業と生活・文化が理想的に調和した地域社会をつくることを目標としている。(引用:文部科学省)


受賞に際して

東日本大震災から8年2か月が経過し、この間、継続的に調査している内容を「企業による共助―業助」と概念を提唱し、その体系化について試みた内容で、博士論文としてまとめました。
その内容について東北を拠点とする文化の1つとして評価頂けたことはとても嬉しく思います。
(文化と呼ぶにはごく一部しか明らかにできておらず、その体系化についてスタートラインに立ったという状況ですが)


ただし、研究としては、確かに自分がまとめさせて頂いたのですが、調査に協力頂いた企業・住民のみなさまの文脈、思い、行動の一つ一つが、小さな文化の輪郭を象りはじめたものであって、自分の能力に依るものではないと改めて実感しています。関係者のみなさま、この間のご助力ありがとうございました。

きっと自分は生涯、東北の地に足を運び続けることになると思います。
今後も一つ一つ真摯に泥臭く取り組むことしかできませんが、3.11を決して忘れることなく、災害につよいまちづくりの一助となるよう尽力いたします。