2020年11月30日に公益社団法人私立大学情報教育協会より2020年度ICT利用による教育改善研究発表会 奨励賞を受賞しました。
受賞概要
題目:大規模授業における学生の主体性を引き出すコミュニケーションシステムの構築と評価
[memo title=”授賞理由”]
本研究は、教員の一方向的な知識の伝達・注入による大規模授業で自ら学び考える主体性の不足、学修意欲や教室外学修時間の不足に対処するため、スマートフォンなどで教員と学生間、学生同士間の「意見集約・可視化・共有」をフィードバックするコミュニケーションの自動化システムを構築することで、知的成長の機会を創出する取組みである。
本システムでは学生のフィードバックシートを形態素解析し、共起ネットワーク図を自動生成することができ、これにより受講者の自己効力感の向上、最終課題の質の高い作品の増加、授業後の社会問題への行動変容などの効果が見られるなど優れている。しかし、質の低い作品の微増もあり本システムとの関係性の分析、授業後の主体的な実践活動を促進するコミュニケーションパターンの解明など今後の課題も見受けられる。(以上、私立大学情報教育協会より引用)
[/memo]
授与機関
論文奨励賞の授賞対象
- ICTの利用により教育改善効果が認められるものであること。
- 大学、短期大学の教員が主体の研究発表であること。
- 個人・グループの取り組み、または学部・学科などの組織的取り組みであること。
- 学部、学科の教育目的・目標の達成に寄与しているものであること。
受賞に際して
この度、公益社団法人 私立大学情報教育協会が主催する2020年度ICT利用による教育改善研究発表会奨励賞を受賞しました。
受賞対象は「大規模授業における学生の主体性を引き出すコミュニケーションシステムの構築と評価」で、大学で実践している授業の改善プロセスとその効果をまとめたものになります。
奨励賞でしたので、てっきり自分以外の受賞者も複数名いらっしゃると思いこんでいたのですが、1次選考37組→2次選考8組→受賞者1組と、蓋を明けてみると自分1人のための表彰式開催となっており、少し恐縮しつつも改めて有り難いと感じました。
また、来賓に文部科学省高等教育局専門教育課長もいらっしゃって、取り組み内容について「大規模授業というどの大学でも行われている授業スタイルで、デザインを強みにしている長岡造形大学らしい視点からICTを活用した教員と学生のコミュニケーションを促す実践」として、とても評価頂き嬉しく感じました。
新型コロナ感染症流行下において、ICT利用による教育実践は広く浸透したわけですが、今回の発表は2018→2019年度の改善ですので、新型コロナ流行前の実践となります。「空間安全論」という防災関連の授業を題材にしたのですが、「強く意見したり、言葉で表現することが得意ではない内向的な美大生」を対象にどうしたら、少しでも学生にとって有益な時間になるのか、その核に「自己効力感の向上」「他者との恥ずかしくない意見共有」等の工夫をICTを活用して取り組みました。
授業を実践する上では、稲垣文彦先生や長岡造形大学の施設課のみなさま等様々なご支援を頂きました。ありがとうございます。また、多くの学生に履修して頂き、とても積極的に参加頂くことができました。
これもまた有り難いことです。
正直、自分の取り組みを整理する機会として捉え、参加される先生方から自分が持っていない視点からの有益なコメントを頂ければと思って参加したのですが表彰頂けることになるとは・・・と未だに驚きを隠せません。
引き続き、学生にとって有意義な授業を実践できるようその改善に取り組み充実した教育環境の実現に励みたいと思います。