石川ぱるた

石川ぱるたについて



「石川ぱるた」は石川県の各市町村の外形に切り分けられた木片ピースを使い①「ズル遊び」、②「るた遊び」、③「ワー遊び」の3種類の遊びを通じて、楽しみながら石川を学ぶことを狙いとした教育教材です。




石川ぱるたの遊び方

①パズル遊び

各市町村の外形に切り分けられたピースをパズル形式で組んでいき、石川県の形を完成させる遊びです。石川県全体の形や各市町村の配置関係を学ぶことを狙いとしています。完成させる時間を競うタイムアタック形式、みんなで協力して完成させる協力形式の二種類の形式で楽しむことができます。




②かるた遊び

「石川ぱるた」付属の石川ガイドに記載されている石川県の各市町村の特産・名産・観光名所が組み込まれた読み札、各区のピースを取り札としてかるた遊びを楽しめます。 読み札を作る過程やかるた遊びを通じて、石川の特産、観光、文化を学ぶきっかけを創ります。 かるた遊びの得点集計方法は各市町村の人口や面積といった統計ランキングを最終得点にすることで各市町村の統計的な情報を学ぶこともできます。




③タワー遊び

各市町村ピースの名前を言いながら一人ずつ積んでいき、タワーを崩してしまった人が負けというゲームです。各ピースを平積みしていくことが基本ルールですが、ピースを縦にして積んでいくことで難易度を調整して遊ぶことができます。タワー遊びは各市町村の名前や形、面積の大きさなどを学ぶことを狙いとしています。




石川ぱるた制作の経緯

新潟ぱるた、横浜市磯子区版「磯子ぱるた」、「横浜ぱるた」など他地域版の展開に取り組ませていただく中で、日本青年会議所 北陸信越地区 石川ブロック協議会のみなさまとのご縁をいただき制作させていただきました。

制作の手順

制作については以下の手順で行いました。
  1. 市町村の分割についての検討と試作品の作成
  2. かるた遊びの読み札作成
  3. 石川ぱるた本体の完成
  4. 石川ぱるたを用いた石川を楽しみながら学ぶ場づくりと読み札の意見収集
  5. 収集した意見を基にみんなでつくった石川の読み札完成




市町村の分割についての検討と試作品の作成

まずは市町村の分割についての検討と試作品の作成を行いました。石川県の市町村は全部で19あり、三種類の遊び方のゲーム性を考慮しながら、現市町村の分割で区切るか、旧市町村の分割で区切るかなどの試作品を作成し検討を行いました。最終的に現市町村の分割で作成する方向で決まり本体の制作に取り掛かりました。



かるた遊びの読み札作成

かるた遊びを行うための各市町村の特産、観光、文化資源を組み込んだ読み札を作成しました。各地域版を展開する際には、その地域に住んでいる方々が魅力的に思うものの視点を取り入れるため日本青年会議所 北陸信越地区 石川ブロック協議会のみなさまに読み札の原案を作成いただきました。他県の方にはわからないニッチな読み札も多くとても興味深い読み札が完成しました。自身が面白いと思った読み札をいくつか紹介したいと思います。

  • 愛称まるびぃ21世紀美術館 金沢市
  • 世界最古のおにぎり 中能登町
  • 吉野谷の1億円トイレ 白山市
  • 世界一長いベンチ 志賀町


読み札にもある通り21世紀美術館や兼六園、茶屋街といった観光地として代表的なもの以外にも、弥生時代のおにぎりの化石が発掘された中能登町、国のふるさと創生資金で建設された一億円のがある白山市、全長460.9メートルのベンチがある志賀町など、つい誰かに話したくなるような市町村のシンボルや文化資源を知ることができました。



石川ぱるたを用いた石川を楽しみながら学ぶ場づくりと読み札の意見収集

石川ぱるたの本体と読み札が完成し日本青年会議所 北陸信越地区 石川ブロック協議会のみなさまから石川ぱるたを用いた石川を楽しみながら学ぶワークショップを七尾市の能登演劇堂にて開催していただきました。ワークショップ当日は自身も現地に向かわせていただき感染症対策を徹底したうえでワークショップのファシリテートを行いました。家族単位で1セット石川ぱるたを配布していただき、パズル遊び、タワー遊び、かるた遊び、すべての遊びを実施し石川県の各市町村の名称、配置関係、文化資源を遊びを通じて通じて学んでいただきました。



ワークショップ風景


石川ぱるたの説明の様子




ワークショップ後の感想では以下のような意見をいただくことができました。
  • 各市町村の形など、知らないことがいっぱい知れたので勉強になりました。ぱるたを使って子どもといろんな話をしたいと思いました。
  • 子供よりも楽しんでしてしまいました。行ったことのない市や町へ行ってみたいと思いました。とても楽しかったです。
  • 大人にも良いと思います。今一度考えさせられました。しかも楽しいし小学生には地域を覚えれるので大変良いと思いました。


このようにぱるたを通じて親と子のコミュニケーションのきっかけをつくりっていきたいといった感想や、お子さんだけでなく親御さんが夢中になったといった感想、行ったことのない市町村へ行ってみたいといった行動につながるきっかけとなるような感想をいただくことができました。



収集した意見を基にみんなでつくった石川の読み札完成

ワークショップ終了後、参加していただいた方々から各市町村の魅力、知ってほしいところを組み込んだ読み札の案をアンケートでいただき、日本青年会議所 北陸信越地区 石川ブロック協議会さまから読み札の意見収集をしていただく形で当日参加いただいた方々の意見を反映させた石川ぱるたの読み札を制作しました。石川県在住のワークショップ参加者の視点でつくられたディープな読み札になっています。

ワークショップ参加者の意見を基に制作した読み札


おわりに

石川ぱるたの制作を通じて多くのことを学ばせていただきました。

特にワークショップに参加いただいた方々から各市町村の魅力についての意見を収集し、読み札を制作する試みがとても興味深かったです。
有名な観光名所やランドマークなども地域の魅力の一つですが、地域の魅力的な場所やモノ、コトの捉え方は住まわれている方々一人一人によって違うと考えています。

県外の人から見ると何の変哲もない見過ごしがちな風景でもそこに住んでいる人にとっては大切な人と楽しい時間を過ごした思い出深い風景かもしれません。

ワークショップの際にも親子の間で各市町村に関する体験談を話し合っている場面がありましたが家族間でこれまで積み重ねてきた体験をもとに改めて自身の住む地域について考え、地域の魅力を再認識するとともにまだ知らない市町村への興味関心につながるきっかけになってほしいと考えています。

今後、その地域に住んでいる方々一人一人が捉えている地域の魅力をくみ取れるよう、読み札作成のプロセスを組み込み活動を行っていこうと思います。